[第513回 例会のお知らせ]
日 時:2024年5月25日(土)14時〜16時30分
会 場:日仏会館 501会議室
報告者:世田 祐多(CRCAO PD・東京大学史料編纂所学術専門職員、学会会員)
演 題:「池田筑後守遣欧使節の性質とその変容(序): 井土ヶ谷事件直後の日仏外交 」
コメント:小寺 瑛広(松戸市戸定歴史館、学会会員)
概 要:
いくつかの先行研究を除き、 池田筑後守長発の遣欧使節および攘夷が外交に与えた影響に関 する研究は進展しておらず、日仏・ 日欧双方の史料からの実証研究が必要と考えられる。文久3年 9月2日(1863.10.14) 井土ヶ谷においてアフリカ第3大隊所属カミュ少尉(中尉) が何者かに斬殺された事件を契機に、 ベルクールフランス駐日公使の薦めを容れ幕府が派遣した「 横浜鎖港談 判使節」が、 フランスとの交渉不調によりフランス視察に目的を切り替え、 視察後に帰国し処罰され失敗に終わったとするこの使節への単純な 理解は不十分と言える。「横浜鎖港談判」 にとどまらない複雑な当使節の性質と、 パリで目的をフランス視察に変更し帰国した経緯を政治外交史 の中に解明すべく、 序として井土ヶ谷事件なる実際の攘夷が幕府に与えた影響と、 当使節編成ま での過程を検討する。