2022年度

2022年度 日本仏学史学会賞

故・中山裕史著 中武香奈美編『幕末維新期のフランス外交 ー レオン・ロッシュ再考』（日本経済評論社、2021年）
　
【授賞理由】
　本書は当学会副会長を務め、2015年に逝去された中山氏の遺稿を編者中武氏ほか関係者の尽力により、5年をかけて編集し、2021年に出版の運びとなったものである。当学会は2022年度より、会員の出版書物の中で顕彰に値すると評価されたものに、本学会賞を授与すると決定した。その第1回授賞作として中山氏の遺著を選定し、顕著な内容成果を讃え、ここに功を彰かにするものである。
　同書は、残された遺稿を中心に5年の歳月をかけ、関係ご各位が資料再検証や遺稿の編集にあたられた文字通りの労作である。選考にあたり、今後の幕末期フランス外交研究に関して後進の探求に広く寄与する内容と高く評価された。
　なお、原著者が故人となられているため、遺稿の管理者である夫人（で当学会員）の中山信子氏を代理人として、当学会賞と賞金を後日、授与する。