Société d'histoire des relations nippo-françaises

第507回例会

 
日 時: 2022年12月17日(土)14〜16時
会 場: 日仏会館 501号会議室
報告者: 中山 信子(早稲田大学演劇博物館招聘研究員、学会員)
司 会: 未定
演 題: 「1954年カンヌ国際映画祭での『地獄門』のグランプリ受賞の背景」

概 要:
 1951年のヴェネチア映画祭で黒澤明監督の『羅生門』が金獅子賞を受賞した。それまで日本映画が国際映画祭で評価を受けたことは殆どなく、『羅生門』の受賞は日本の映画界にとって衝撃的な出来事であった。フランスでも52年に『羅生門』が劇場公開され、監督の黒澤明をはじめ出演した三船敏郎や京マチ子の名が知られるようになった。
 この時『羅生門』の製作者大映社長永田雅一は、映画祭での受賞が国威発揚の機会であるだけではなく、新たなビジネスチャンスの場であることを知った。そこで永田はフランスのカンヌ映画祭でのグランプリ獲得を狙って、『地獄門』(衣笠貞之助監督)を制作する。この時永田はいかなる戦略を立てたのか、それに対するフランス側の反応はどのようなものであったのか、そして1954年という冷戦下の時代のカンヌ映画祭をめぐる「ポリティックス」について考察する。
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